熱燗の初心者の方向けに
という記事を書きましたが、そこからさらに熱燗を技術を高めていきたい向けの道具紹介です。
実は飲食店の方々からも「熱燗道具」について聞かれることが多いので、それはこちらのページにまとめることにします。(もちろんこちらもアフィリエイトでお小遣いにもなるしw)
下記が僕が現在(2018年12月)使用している本気の熱燗DJ道具たちです。
オススメ酒燗器:錫チロリ(二合)
まずは錫のチロリです。
デザイン的にはイケてないのですが、取っ手部分がステンレスになっているので使いやすいです。
見栄えを重視した錫の取っ手のチロリは温度が上昇するとグニャグニャして使いづらいです。
また、正直フタは邪魔なので僕はもぎ取ってしまいました。
「なぜ錫のほうがいいの?」と聞かれるのですが、科学的な根拠はよくわかりません。ただ、こっちのほうが美味しい。やってみればわかります。
オススメ酒燗器:錫チロリ(三合)
最近は大型のイベントでも燗付することが増えてきたので、三合チロリが必要になりました。
金額はかなりしてしまうのですが、重量も十分にあるので浮きづらく使いやすいです。
大人数に提供する場合はオススメです。
オススメ酒燗器:銅チロリ(二合)
続いて銅のチロリです。
取っ手部分に藤のようなものが巻いてあるものがいいです。持ちやすいので。
銅チロリはピンキリで安いものは薄っぺらいのですが、このチロリはしっかりと厚みもありつつ金額が良心的なのでオススメです。
「銅と錫の違いは?」と聞かれるのですが、これも科学的な根拠はよくわかりません。ただ、銅が美味しい酒もあれば、錫やビーカーが美味しい酒もある。
これに関してはやってみればわかるというより、口で説明できたとしても行動に転換できるような汎用性がないと思うので意味がない気がする。今のところは100本くらいつけてみて体で覚えるのが一番最短だと今は思っています。(2018年9月現在)
オススメ酒燗器:銅チロリ(二合)
続いては耐熱ビーカーです。
耐熱ビーカーは錫や銅のチロリに比べると熱伝導率が低いので、トールサイズのビーカーにしたほうが早くてオススメです。手も湯気で熱くならなりづらいです。
錫の酒器はよく「酒がまろやかになって美味しくなる」と言われます。これはなんらかしらの化学反応が起きているということなので、その反応が好転する場合もあれば暗転する場合もあります。なので、その反応が向かないようなお酒や、ある温度からは反応を起こさないようにするために移し替えたりする場合に使用します。
オススメ温度計:A&D 防水ペン型 温度計
こちらの温度計は「温度の反応が早い」「温度の精度が高い」「防水」という部分を兼ね備えていて2000円代なのが最高です。
どうしても仕事で使うようになるとハードユーズしてしまうので温度計に関しては消耗品になります。
かといって、安いものにしてしまうと寿命が早く、防水レベルも低く、温度に対する速度や精度も金額なりになってしまうので、結果としてコスパが悪い。
仲良しのソーセージ職人さんのタケさんから教えてもらいました。
オススメ燗床①: ANOVA
熱燗の専用の燗床で有名な「燗すけ」もいいですが、僕は断然ANOVA派です。
ANOVAのほうが良いと思う3つの理由
①お湯を攪拌(かくはん)しながら温度をキープしてくれる
攪拌してお湯を回し続けるということは、チロリに接する湯温も常に一定に保てる、ということ。なので、常に同じ条件でお酒の温度を上昇させられるのでオススメ。
②15Lの寸胴などに入れて使用できる
燗床の湯量が少ないと2〜3本チロリを一気に入れてしまうと燗床の温度が下がってしまいます。その点、15Lくらいあれば温度変化なんてほとんど起きません。
③IHヒーターと併用できる
イベントごとにお店が変わったり、屋外や酒蔵のイベントに出展したりすると、冷房が直撃したり、めちゃめちゃ寒かったりします。そうするとANOVAや燗床の機械だけではどうしても温度をキープしきれなくなります。そのため、この後に紹介するIH対応の寸胴にIH卓上ヒーターを併用して上下から加熱すれば冬の屋外でも燗床をキープできます。
オススメ燗床②:クラッド IH対応 ステンレス寸胴 27cm
ANOVAでも説明した通り、燗床の湯量が少ないと温度が下がりやすくなってしまいます。
屋外でもIH卓上ヒーターを併用できるように、IH対応の寸胴をオススメします。
このサイズ(27cm)であれば、チロリは最大5本くらいはかけられます。
他にもIH対応の寸胴はありますが、この寸胴は取っ手が金色だからカッコイイんですよ。
しかも比較的リーズナブルなお値段で買えるし。
あとは火にもかけられるので、最初の水からお湯にするまでに早く沸かせるのも便利。
オススメ燗床③:クラッド IH対応 ステンレス半寸胴 27cm
チロリを温める燗床で徳利を温めてしまうと熱くなりすぎてしまい、温度コントロールがしづらくなります。
また、お客様に提供する際にも持てない場合が発生してしまうので、酒器の保温のために使用しています。
通常の寸胴ですと深すぎるので、保温床であれば半寸胴がオススメです。
オススメ燗床④:パナソニック IH調理器 ブラック KZ-PH33-K
前述にあるとおり、 温度が下がりやすい環境下で使用すると燗床の温度をキープしやすくなります。
仮に極寒の野外とかでも熱源がIHなら寸胴にバスタオルとかを巻けるので、ほぼほぼ湯温を一定に保てます。
IH卓上ヒーターは「鍋の最大直径サイズ」「最大W数」が重要になってきます。
特に鍋の直径サイズは寸胴を使う場合は要注意です。
上記のIHなら27cmの寸胴は大丈夫でした。
その他オススメ道具:ワインクーラー
温度を上げ下げする際の氷水の容器として使用します。
フルコースなどで数回上げ下げをする場合、できるだけ近くに置いておきたいのですがボールなどでやると不安定&氷が溶けてしまう、などの使いづらさが発生します。
ワインクーラーであれば保温性も優れていますし、下におしぼりを敷けば結露でビショビショにもならないで使えます。
その他オススメ道具:延長コード 5m 3口
様々な飲食店でイベントをする場合、お店の構造的に離れたところから電源を引っ張ってこないといけないことがよくあります。
ANOVAや卓上IHヒーターなど電圧の高いものを使用するので太くて3口、導線を横切って電源を取らないいけない場合もあるのでできるだけ目立つ、それらを兼ねた延長コードがオススメです。
いかがでしたでしょうか。
道具に関しては熱燗を提供する場所やスタイルで大きく変わってくるとは思いますが、僕の場合は「どこへ行っても同じ条件の燗床を作る」という部分を重視して道具を揃えています。
誰かの参考になったら幸いです。
誰でも簡単にお家で美味しい熱燗をつけられるようになるワークショップも時々開催しておりますのでよかったら。
初心者向けの熱燗道具の紹介はこちらからどうぞ。